1.登山

中高年の登山が目立つようになって久しい。

高齢化社会を反映した現象に違いないが、中高年の人々がなぜ登山を指向したのか。

それにはいくつかの要因が考えられる。第一は日本の山々の山容を見ると、中高年が登山の対象とするに適しているということです。第二に登山地といえば、、交通、通信、宿泊施設、登山地情報などが豊かになり、山に登りやすくなったことです。第三に登山用具の発達です。

軽く高性能の用具が開発され、特に中高年の登山者を助けています。

しかし、現実にはいろいろな問題も見られます。山へのアプローチが便利になり誰もが容易に山登りを楽しめるようになりましたが、山そのものは昔と少しも変わっていないのです。にもかかわらず、その容易さゆえに用心深さを忘れている人が増えています。

山は時としてその美しさの裏側にある恐ろしさをあらわにします。そうした山の本質を見失わず、安全登山を楽しみたいものです。

2.山に登ることそのものを楽しみとして

多くの登山者が持つ楽しみの中には頂上に至る過程において、山という対象から何かを得たいという気持ちがあるように思います。

果てしない山並みの展望、荘厳な日の出や日没、季節の新緑・紅葉など山の美しさ、登山を完成したときの充実感などがそれです。

とすれば、対象となる山への期待、欲求に対して、登山者は当然しかるべき態度で山に接することが求められなければなりません。

近年ますます自然保護が叫ばれています。山だけでなく、愛する祖国の美しい自然を永久に保とうとする思想が高まりを見せている昨今、登山者はこの思想を遵守して自然を慈しみたいものです。そのような心や態度がじつは遭難防止につながっているのです。

さらにもうひとつ。山に登る心として大切なことは、山仲間との協調性です。山に対してだけでなく、人に対しても同様の精神を堅持することが肝要です。